あらすじ

中世の隆盛期を久しく過ぎた現在でも、ヴァチカン教皇庁の方では、定期的に世界各地で報告される【専門事案】へ対応し続けていることは、世間ではあまり知られていない。 ヴァチカン教皇庁の中でも最古参として今も設置されている祓魔師課。所属している祓魔師の一人で特別調査官の男、マックス・アルトベッリは、彼以外の誰もが知らないようなマイナーな銘柄のタバコを口に加え、禁煙であるという張り紙のあるオフィス内で堂々と嗜んでいた。 それを車椅子に身体を預けて近づく修道服姿の初老間近でありながら現役の修道尼としても活動する特別顧問のアガタが窘めるため、車いすに隠している杖を男の口元ギリギリに予告もなしに差し向けるのが、オフィス内の日常的な景色である。 ある日、二人は新たな事案を上司から調査するよう命じられ。任務へと向かうことに。 地元警察に所属する特別殺人課の人間たちが、二人の登場に渋い顔を見せる。彼らの足元に転がっていたのは、悪魔崇拝者特有の儀式痕跡が残された室内で息絶えていた遺体。 「これは、派手に食われているなぁ…………。アガタ」 「貴方の表現は、あまり好ましくないと思うわ、彼らは愛されてしまったのよ、彼らに」 「アンタの表現の方が不謹慎だ」 「不謹慎と好ましいかどうかは、別者よ?」 現場でも衝動に駆られれば、躊躇なく口へ愛してやまないメーカーの銘柄のタバコを一本、いや。その日の具合によっては数本を一気に口へと運び、ライターで着火。 その都度、年の離れた相棒の修道尼が窘めるのも長らく仕事を共にしている警察関係者たちには…………何の支障もないやり取り。 タバコの煙をふかして上機嫌になりかけた祓魔師の目が、死体の両手首に刻まれている【何か】を見逃さず。せっかくのタバコを現場の床で即座に消火する。 相棒のアガタが何事かと、彼の視線の先に映っているモノを確認した。その瞬間、彼女の表情も一変し。警察官たちへ直ちに現場を離れるように告げた。 しかし、時すでに遅し。現場に転がっていた遺体に刻まれていた【何か】からタバコの煙にも近い形で現場へ得体の知れない存在が出現し。警察官たちにもそれが、由々しき事態であることが伝わる。 「どうやら…………久しぶりに、我々が本格的に調査しなければならないみたいですね」 「ああ…………ヘマをするなよ、くそババァ」 「こっちの台詞ですよ、愛煙家さん」

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小説を読もう2026/07/31
  • 現在の作品愛煙家祓魔師(エクソシスト)の所属先は、ヴァチカン教皇庁祓魔師課