あらすじ
列強国の一つ、オルレイア王国。
この国は『太陽王』と称される、御年七十五歳の老王が治めていた。
その老王の光に隠れるように、誰にも必要とされない日陰者の王太子がいる。
――アンリ=オーギュスト=ド=オルレイア
三十九歳にして未だ妻子のいない彼は、いつも無表情で辛辣な言葉を投げかける侍女クロエに支えられ、日々を無為に生き延びる。
いずれ、『太陽王』を失意の底へと沈めるために。
今は亡き二人の兄との約束を、果たすために。
アンリは今日も、王の背中を後押しするのだ。
――ゆっくりと、滅亡への道を歩む王を。