あらすじ

「クラーラが嫌だと申しますから、あなたが行きなさい」 この国の縁談は、花嫁が持参する支度の縫い目で値踏みされます。 ヴァルトハイム伯爵家の縁談が十年まとまってきたのは、長女のわたしが 妹の名前で支度一式を縫ってきたからでした。四度まとまって、四度、妹が壊しました。 五度目のお相手は、先妻を三人亡くしたと噂される辺境伯。 妹が嫌がったので、わたしが代わりに嫁ぐことになりました。 十年ぶんの支度箱ごと。 けれど辺境伯は、箱を開けて布に手を入れ、こうおっしゃったのです。 「これを縫った者と話がしたい」 ——ですから、実家のための支度は、もう縫いません。 わたしが縫うのをやめただけで、あの家の縁談は止まりました。 わたしは何もしておりません。ただ、針を置いただけです。 ハッピーエンド保証。 静かなスカッとと、手仕事の手触りがお好きな方へ。

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小説を読もう2026/07/31
  • 現在の作品妹の代わりに嫁ぎましたので、嫁入り支度はもう縫いません