あらすじ
六年のあいだ、義妹の顔をつくってきたのはわたくしです。母から継いだ調合帳には、その日の光と骨のかたちに合わせた処方が、一日ぶんずつ書いてあります。
——婚約が調ったので出て行け、と継母は仰いました。承知いたしました。ですので、調合帳は一頁も置いてまいりません。
盛るのではなく、合わせるだけ。追い出された化粧師の娘が王都の外れに小さな店を開いたころ、ヴェルニエ家では誰も「王都一の美姫」の顔を再現できなくなっていました。
仕返しはいたしません。貸していたものを、引き上げるだけです。
※誰も傷つけずに、貸したぶんだけ返ってくる静かなスカッとがお好きな方へ。