あらすじ
かつて人類は、並行世界の存在を証明した。
未知の技術を求めて接触を繰り返した結果、二つの世界は重なり合い、現代文明は崩壊。妖怪と呼ばれる異形の存在と、自然エネルギー「霊素」に満ちた新たな世界が誕生した。
世界の融合から三百年。
五家評議会が支配する国では、かつて神として崇められていた妖怪たちは「人々を欺いてきた偽りの神」とされ、討伐の対象となっていた。そして、人の姿をしながら圧倒的な霊力を持つ白銀の少女・皓月が、本物の神として王に据えられていた。
そんな時代へ、融合前の現代を生きていた十七歳の少女・環 和華は、神隠しによって迷い込む。
異世界へ来たと思い込んだ和華が目にしたのは、人間に虐げられる妖怪たちと、五家の悪政に苦しむ人々だった。妖怪を恐れながらも見捨てることのできない和華は、一体の妖怪から授かった特殊な霊脈を使い、争いの中へ身を投じていく。
やがて和華は、この国の王である皓月と出会う。
皓月は五家に操られている無力な王を演じながら、その裏で人間と妖怪が共に生きられる世界をつくる機会をうかがっていた。和華の純粋な行動に希望を見いだした皓月は、彼女を元の世界へ帰す方法を探すことと引き換えに、協力を求める。
しかし、和華が帰ろうとしている故郷は、遠い異世界ではなかった。
ここは、彼女が生きていた世界の三百年後――。
人間の欲望によって神を追われた妖怪たち。
偽りの歴史によって国を支配する五家。
そして、平和を望みながら、次第に破滅へ近づいていく皓月。
現代から来た少女・環 和華の選択が、人間と妖怪、そして二つの世界の運命を大きく動かしていく。
これは、人間の浅ましさと妖怪の純粋さが交錯する世界で、少女たちが共存の道を求めて戦う物語。