あらすじ

火災現場で錠前を壊し、見知らぬ子どもを逃がして死んだ鍵屋・甲斐透。 目を覚ますと、俺は掌に乗るほど小さな魔物――錆色の〈鍵トカゲ〉になっていた。 尻尾は鍵の形。 どんな錠前も読み、開くための〈鍵紋〉を作れる。 ただし、新しい種類の封鎖を開くたび、前世の記憶が一つ永久に閉じる。 住所。 仕事場への道。 母の声。 自分の顔。 最初に俺を拾ったのは、声を奪う首輪をつけられた少女ミレルだった。 『開けたあと、お前は何をする』 そう尋ねる俺に、彼女は石床へ指で書いた。 ――自分の名前を、声に出して言う。 少女を牢から逃がし、封じられた水門を開き、石にされた職人を救い、行き場のない種族を迎えていく。 だが、この世界で錠前は支配そのものだった。 道も、魔法も、季節さえ、聖錠教会が「守るため」と称して閉じている。 ならば作ろう。 鍵を一人が独占せず、内側から誰でも開けられる町を。 閉じ込めるための扉が一枚もない国を。 これは、人を自由にするほど自分を忘れていく小さな魔物と、 その名を代わりに覚える仲間たちが、世界の七つの錠を開くまでの物語。

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カクヨム
カクヨム2026/07/31
  • 現在の作品転生したら鍵トカゲでした ~開けるたびに前世を忘れる俺、封印された種族を救って「扉のない国」を建てる~