あらすじ
灰と鉄の匂いが染みついた帝都エルフェンハイム。革命から七年、いまだ王冠は空位のまま、貴族議会と革命派が水面下で殺し合いを続けている。 記憶を失い、路地裏で目覚めた青年シリル・ヴェインは、自分が「王女暗殺の実行犯」として指名手配されている事実を知る。逃げ込んだ先で拾われたのは、亡命中の第三王女リディア・アルセリオン――のはずだった。
「わたくしを殺しに来たのでしょう? いいわ、殺しなさい。……ただし、わたくしの筋書き通りに」
暗殺者と、殺されたがる王女。二人は互いを利用しあう共犯者となる。 だが、シリルの失われた記憶の底には、リディア本人ですら知らない王家の罪が眠っていた。