あらすじ
聖ヴァレンティア暦1147年、言葉に契約が宿る帝国リュテティア。誓約を破った者は喉から灰になって崩れ落ち、真実を口にすれば魂に烙印が刻まれる。この歪んだ言葉の帝国で、下級士官・カイ・アルディレインは、伝説の《嘘吐き姫》セラフィナ・ヴェル=ノクティスの護衛を命じられる。
だが彼女は――帝国転覆を企てる革命組織《無音楽団》の首魁であり、カイもまた、彼女を殺すために送り込まれた宮廷の刺客だった。
互いに正体を悟りながら、悟らせない。愛を騙り、忠誠を偽り、真実を隠すために嘘を交わす二人。やがて彼らは気づく――この帝国そのものが、たった一人の少女が三百年前に吐いた最初の嘘の上に成り立っていることに