あらすじ
かつて人類は、魔王、悪魔、魔物、それらの世界の理すら歪める"災厄"によって滅亡寸前まで追い込まれていた。
しかし、そんな世を憂いた女神様は人に邪悪な存在と戦う力を授けることにした。
女神が授けた力は―【才能】と【加護】―力を覚醒させた者は火を操り、天を駆け、地を割ることさえ可能とした。
力を得た者は英雄と呼ばれるようになり、冒険者ギルドを立ち上げ、クランを結成し、そして、ついに魔王を討ち滅ぼした。
平和な世になった後、人々は魔王を討伐した七つのクランを――【|栄光の七陽《ソル・インヴィクタス》】と呼び、彼らの活躍を讃え、後世に語り継ぐことにした。
黄金の勇者、不滅の騎士、黎明の魔導士、獅子王、竜騎士、天神官……彼らは英雄として語り継がれ、いつの時代も子どもたちの憧れとなった。
しかし、それは歴史の表側、光が合っているところに過ぎない。七陽が人々の希望として太陽の下で戦うその裏側では、決して歴史に残ることのない戦いが繰り広げられていた。
人類が知ることすら許されない災厄。
神ですら名を口にしない怪物。
世界そのものを書き換える理との戦い。
それらすべてを引き受けた者たちがいた。
その名は――【|欠月《クレセント》】弾かれ者だけで結成された無名のクラン。
才能がないと見捨てられた者。
迫害され、居場所を失った者。
誰からも期待されなかった者。
そんなたちだけが集められた、最弱と蔑まれた集団だった。
彼らはたった一人の青年の下に集い、日が沈む真っ暗な夜を照らす優しい月光のように、人知れず世界を救っていたのだ。