あらすじ
『愛という名の洗礼』あらすじ
部屋の隅で少女の成長を優しく見守るトラのぬいぐるみ・トー君。幼子の愛らしい抱擁と温もりは彼の幸福そのものだったが、その愛の先には数ヶ月に一度訪れる「恐怖の儀式」が待っていた。
それは、飼い主が無邪気な善意で行う「洗濯」。
洗面所に連れて行かれたトー君は、冷たい泡と猛烈な回転が渦巻く洗濯機へ投じられる。水に溺れ、壁に叩きつけられ、脱水によって魂まで絞り出されるような惨劇。さらに濡れた体は洗濯ばさみでベランダに吊るされ、灼熱の太陽のもとで乾かされるという拷問に晒される。
叫び声を上げることもできず、ただ耐え忍ぶトー君。すべては愛する少女の元へ戻り、再びあの温かな抱擁を得るため。絶望的な激痛を乗り越え、フカフカに戻ったトー君は今日も部屋の隅で静かに微笑む。次の「愛の儀式」が訪れるその日まで……。