あらすじ
1920年代、魔都上海。
薔薇の香り漂う小路では、何年も前から少女がひとり、またひとりと姿を消していた。
子供たちの間で歌われる、不思議な遊び歌。
「薔薇のお母様迎えに来るよ
誰にしよう、相談しよう」
ある少女の失踪をきっかけに、大陸の祓士・フェイは、海を越えてカナタを呼び寄せる。
「我ではできない。だから、おまえを呼んだ」
少女たちが消えた小路。
咲き誇る薔薇。
その奥に佇む洋館には、西洋医学を修めた女医・羅絲《ローズ》が暮らしていた。
そして館の二階から、何者かがカナタを見つめている。
かつて娘を失った母が願ったのは、ただひとつ。
愛する娘を、生き続けさせること。
美しい薔薇の香りに覆い隠された洋館で、母の愛は静かに狂い始める。
『越久の渡祓士』外伝。
美しくも残酷な、魔都上海のサイコホラー。