あらすじ
この世界には、人狼、占い師、霊能者、狩人――人々が「役職持ち」と呼ぶ存在が実在する。
しかし、そのほとんどは伝説や迷信として語られるだけ。本物に出会った者はほとんどいない。
小さな街で占い師を営む青年アリスも、その一人だった。
彼の占いは本物だった。ただ一つだけ、致命的な欠点があった。
誰を占っても、結果は「白」しか出ない。
恋愛も未来も分からず、「白です」としか言えない占いなど商売になるはずもない。客が望む言葉を並べるうちに、彼はいつしか「インチキ占い師」と呼ばれるようになっていた。
そんなある日、街の有力者が何者かに殺される。
翌日、占いに訪れた一人の女性を何気なく占ったアリスは、生まれて初めて「黒」の判定を見る。
「あなた、人を殺したでしょう」
その言葉に、女性は静かに笑った。
彼女こそ昨夜の殺人犯――人狼だった。
だが、アリスの告発を信じる者は誰もいない。それどころか、彼の能力が本物であることを見抜いた人狼の少女は、ある目的のため半ば強引に彼を旅へ連れ出す。
旅の先々で起こる連続殺人。
真犯人が人狼だと知っていても、誰も彼の言葉を信じない。
真実だけでは事件は解決できない。
証拠を集め、嘘を暴き、人々を納得させなければならない。
これは、「本当のことを言っても誰にも信じてもらえない」占い師が、人狼による連続殺人事件へ挑む、異世界ミステリー。
全三話構成の短編です。
反応が良かったら、長編も書きます。
なので星と応援、出来たら感想もぜひ、お願いします。