あらすじ
会社員の宮坂(みやさか)は、ときおり仕事帰りに一人で小さな多国籍料理の店『天涯』に通う。店を切り盛りしているのはアジア系の外国人店主で、ロンと呼ばれている男だった。
宮坂はある日、『天涯』が近く閉店することを店の入り口の貼り紙で知り、自分が思いがけないほど衝撃を受けていることに戸惑う。
足を踏み入れた店内で、ロンは宮坂にいつもと変わらない穏やかな笑顔を向けてくる。ただ、それまでと違ったのは、食後にそっと注文していないコーヒーが差し出されたこと。
その日から宮坂は店に日参し、ロンは宮坂のため、時にはメニューにない料理を作って出すようになる。
先の見えない関係性が、曖昧に揺れながら辿り着く先は、どこなのか——
終わりから始まる、静かな恋の物語。
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