あらすじ
帝国軍の侵攻によって故郷を焼かれ、家族を失った十二歳の少年ノエル。
生き残った彼を待っていたのは保護でも救済でもなく、戦争孤児を暗殺者へ作り変える秘密養成施設――通称〈灰巣〉だった。
食事、寝床、仲間の命さえ奪い合う日々。弱者は切り捨てられ、命令に背いた者は消される。善良だったノエルもまた、生き延びるために他人を疑い、見捨て、やがて自らの手を血で染めていく。
そんな彼が固定相棒として組まされたのは、毒と罠に長けた口の悪い少女リナ。
正面から敵を打ち倒す才能はない。特別な攻撃魔法も使えない。それでもノエルには、相手の癖を見抜く観察力と、自らの魔力、足音、存在感を限りなく薄める異質な才能があった。
リナとの連携、同期最強の少年アルトとの競争、そして失敗すれば死ぬ実戦任務。
暗殺者として成長する中、ノエルは自分の故郷が戦争の犠牲になったのではなく、帝国の権力者によって意図的に滅ぼされたことを知る。
まずは〈灰巣〉で生き残る。
次に、リナとともに脱走する。
そしていつか、自分たちからすべてを奪った帝国の中枢へ刃を届かせる。
これは、誰かを助けたかった少年が暗殺者へと変わりながら、それでも最後まで人間であろうとする復讐譚。