あらすじ
中学二年の清水美咲(しみず みさき)は度々不思議な夢を見る。
桜の舞い散る芝生で、誰か男の子と会っている。ただ顔は見えない。自分を呼ぶその声は、とてもなつかしく心を震わせる。
新学期に転校してきた男子、水崎蓮(みずさき れん)に出会ったとき美咲は夢の中の男の子ではないかと思ってしまう。それはきっと勘違いだ、と思おうとするけれど。穏やかで優しい蓮は、声をかけてくる。
「信じられないかもしれないけど、君は俺の夢に出てくる」と。
同じ夢を見ていた、もしくは夢で会っていた?
遠い遠い昔、二人がちがう姿とちがう名前を持っていたころ。一緒になれなかった寂しさを、今度こそともに過ごせる日々に変えたいとまた出会った。
果たして今世の自分たちは、以前の思いを貫けるのか。貫くべきなのか。
これは互いを唯一の相手として強く求める、一途な溺愛への問いかけ。
第9回青い鳥文庫小説賞エントリー作です。