あらすじ
■宇佐美 莉子(うさみ・りこ)/二三歳・派遣スタッフ
人の心の温度に敏感すぎる、不器用な共感体質の女性。
都会の職場では空気を読みすぎるあまり誰も担当したがらない業務ばかり押し付けられ、心身ともに疲弊して地元へ戻ってきた。
帰郷後、たまたま入った喫茶店のモーニングに救われたことをきっかけに、
「モーニングとまったり朝時間を心から愛せし者、真の贅沢を知る者」 を自認するモーニングオタクになる。
基本的には人付き合いが得意でない陰キャだが、モーニング関連の話になるとスイッチが入り、つい口を出してしまう。
その流れで、ちょっと苦手な上司、榊智也の兄の思い出のモーニング探しに巻き込まれることに。
■榊 智也(さかき・ともや)/二七歳・莉子の会社の上司。
周囲からは「若手エリート」と称され、表向き人当たりもいいが、幼い頃、子供に自分よりいい教育を受けさせたくない父親に「お兄ちゃんは大学なんか行かずに消防士になったほうがいいよなあ?」と言われ「うん」と言ってしまったことがある。のちに消防士になった兄が殉職したのは「自分のせい」という強い自己罰の念がある。
そのせいで普段は食が極端に細く、社内でも差し入れをこっそり避けてしまう。
兄の七回忌の日、兄との思い出の編みぐるみが突然「思い出のモーニングを探し出してくれないと成仏できない」と喋りだし、嫌々ながらモーニング巡りを開始することに。
そこで莉子と出会い、莉子と編みぐるみ兄に振り回されながら、少しずつ自分自身を許す物語を歩き始める。
■ くまの編みぐるみの兄(榊 真也/さかき しんや)享年二八歳 智也の兄
智也の八歳上の兄で、亡くなった消防士。生前は朗らかで面倒見がよく、弟のことを常に気にかけていた。七回忌にくまの編みぐるみに宿り、話しかけるように。
「思い出のモーニングを探している」と言うが、実は……?
表紙イラストは、てんぱる様のフリー素材をお借りしました。
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