あらすじ
わたしは「ことね♪」という名前で、顔を隠してお絵描き配信をしている。中学のとき趣味を晒されて傷ついた過去があるから、誰にも――親友の陽菜にすら――正体は明かさない。だけどその陽菜こそ、「ことね♪」の一番のファンだった。
クラスでは「ことね♪の正体探し」が面白半分で盛り上がり始め、ある日、配信中の些細な事故から陽菜に違和感を持たれてしまう。問い詰められる恐怖から、わたしはつい強い言葉で突き放してしまい、二人の間に気まずい空気が流れる。
隠していたのは"好き"なものだけじゃなく、大切な人まで遠ざけていたのだと気づいたとき、わたしは初めて、自分から一歩を踏み出す。
推す側と推される側、その境界線がふっと溶ける、ひとつの告白の物語。