あらすじ
紹介文
「世界の果てなんて、あるわけがない」
そう笑われ続けた祖父は、最後まで同じ言葉を繰り返して死んだ。
誰も信じなかった祖父の『ほら話』を、僕だけは信じている。
祖父は生前、「世界の果てを見てきた」と語り続けた。
けれど村の人々は、それを狂言か夢物語として切り捨て、誰一人まともに取り合わなかった。
そして祖父の死後。
遺品の中から見つかったのは、ただの紙切れだった。
かすかに線が走り、何かの形を成しかけた、古びた一枚の紙。
これは地図なのか。
それとも、死の間際に残された落書きなのか。
その答えを知る者は、もうこの世にいない。
「……これが、本当に“世界”なのか?」
方向音痴で地図すらまともに読めない青年・アズールは、その謎の紙と、真っ白な地図帳を手に旅へ出る。
目指すのは、祖父が語り続けた“存在しないはずの場所”。
――世界の果て。
これは、世界を救う英雄の物語ではない。
踏み出すたびに迷い、間違え、それでもなお進み続ける。
まだ誰も描ききれていない世界を、自分の足で確かめ、自分だけの地図を刻んでいく、一人の旅人の冒険譚。
そしてその旅の果てで、祖父が見たものが「嘘」だったのか、それとも――まだ誰も知らない“現実”だったのかが明らかになる。