あらすじ
魔法のある王国の港町で、落とし物が最後に願った言葉を一度だけ聞けるリエラは忘れ物係として働いている。ある雨の朝、王家の印が押された指輪が届き、指輪は「王都へ返さないで」と鳴った。回収に現れた無口な特配官カイは、命令だから渡せと言う。しかし指輪は、消された水路と行方不明の橋守が残した警告だった。二人は宛名のない街道をたどり、王都が隠す記録を探すことになる。すべてを返す仕事をしてきたリエラが、返す相手を自分で選ぶとき、カイとの距離も変わっていく。落とし物から始まる、静かな謎解きと恋の全二十話。