あらすじ
大学二年生の白上ノアは、ある日突然、すべての記憶を失った。
自分がどんな人間だったのか。家族や友人、恋人だった冬木柊翔との思い出さえ、何一つ思い出せない。
戸惑いながらも、柊翔はもう一度ノアとの関係を築こうと決意する。失われた過去は戻らなくても、これから新しい思い出を重ねていけばいい。そう信じていた。
しかし、ノアは時折、記憶がないはずの場所を懐かしみ、理由もなく涙を流す。そして、まるで過去そのものを拒むような表情を見せる。
積み重なる違和感に疑問を抱いた柊翔は、ノアの記憶喪失について独自に調べ始める。
その先で彼が辿り着くのは、すべての始まりを意味する『忘却プロトコル』だった。
ノアは何を失ったのか。
それとも、何を失おうとしたのか。
忘れることは、本当に救いなのか。
すべての答えは、最後の一行で明かされる。