あらすじ
茹だるような夏の夜。
エアコンの壊れたアパートで、卓也は届かない夕食を待ちながら苛立っていた。
予定時刻を過ぎても動かない配達員。
電話をしても、どこか話の噛み合わない店員。
やがてスマートフォンから、聞き慣れた音声が流れる。
「まもなく到着します」
ようやく届く。
最初は、そう思っていた。
けれど料理は来ない。
キャンセルしても。
アプリを削除しても。
スマートフォンの電源を切っても。
「まもなく到着します」
そして届き始める、見覚えのある風景が写った奇妙な商品画像。
それは少しずつ――卓也の部屋へ近づいていた。
あなたの注文は、まもなく到着します。