あらすじ
平成という時代の終わりが決まり、世間がまだ名前も知らない「次の時代」を待っていた頃。
人々の間では、これまで存在しなかった不可解な現象が報告され始めていた。
ある日突然、何の前触れもなく人間に発現する特殊な能力。
発症する原因も、条件も、法則も分からない。
ただ一つ分かっているのは、現在確認されている事例の多くが、首都圏に集中していること。
警察は、この未知の現象を「アノミー」と呼んだ。
既存の捜査体制では対応できないアノミー関連事案を扱うため、警察組織の垣根を越えた専門捜査班が新設される。
警視庁。
埼玉県警。
千葉県警。
神奈川県警。
異なる組織から選ばれた警察官たちが、一つの部屋へ集められた。
本来ならば、前例のない捜査班が初めて顔を合わせる緊張の瞬間――になるはずだった。
「おう、樹乃! 樹里!! 久しぶりだな!! 元気してたか?!」
どうやら彼らには、警察官になる以前から続く因縁があるらしい。
時代が変わろうとしていた、その狭間。
後に警察組織そのものを揺るがしていくことになる「アノミー」と、彼らの物語が始まる。
本作について
本作は、今後長期連載を予定している『アノミー』を執筆するにあたり、世界観・登場人物・物語構成を整理するために制作したプロットをもとに、小説として書き起こした短編版です。
長編版では、本作より以前の出来事や登場人物たちの過去を含め、物語を改めて一から描く予定です。
そのため、正式な長編化に際して一部の設定や展開を変更する可能性があります。
「長い物語が始まる少し先の未来を切り取った、パイロット版」としてお楽しみいただければ幸いです。