あらすじ
「今日、一番売れ残りそうな花を」
城下町の小さな花屋《春告鳥》に通う、無口で少し変わった常連客・レオ。
花屋の娘リリアは、彼をただの役所勤めだと思っていた。
けれどある日、隣国から訪れた国賓の馬車が大通りで事故を起こす。
混乱の中、リリアが目にしたのは、冷静に騎士たちへ命令を下すレオの姿だった。
彼の正体は、国中から恐れられる「氷の宰相」レオニス・アルヴェール。
昨日まで「レオさん」と呼んでいた相手は、あまりにも遠い人だった。
それでも、売れ残る花を放っておけない彼の優しさだけは、何も変わらない。
やがて国賓を巡る事件は、リリアとレオニスを思いもよらない運命へ巻き込んでいく。
氷のように冷たい宰相と、彼をただの「レオ」と呼ぶ花屋の娘。
身分違いの二人を描く、恋と陰謀のファンタジー短編。