あらすじ
俺たちが作ったゲームは、確かに完成した。
だから、その先なんて存在しないはずだった。
インディーゲーム開発者・相沢創、二十六歳。
仲間たちと作り上げたゲームをコミックマーケットで完売させた、その日の終わり――俺は倒れた。
次に目を覚ましたとき、俺は十五歳の少年・一条朔になっていた。
そこは、自分たちが作ったゲーム――
《創世の境界学園(ワールドボーダーアカデミア)》の世界。
異世界と繋がった巨大な学園島。
空へ伸びる軌道エレベータ。
世界各地に出現したダンジョン。
そして、見覚えのあるヒロインたち。
設定も知っている。
シナリオも知っている。
この先、世界に何が起こるのかだって知っている。
――はずだった。
「……こんな設定、俺は作ってないぞ?」
ゲームでは描かれなかった過去。
シナリオから外れていくヒロインたち。
制作者さえ知らない事件と、ゲームには存在しなかった人々の人生。
そして俺は気づいていく。
ここはもう、自分が作った「ゲーム」ではない。
誰もが笑って、悩んで、恋をして。
ときにはシナリオさえ裏切りながら生きている――“現実”なのだと。
ならば。
シナリオにない未来が待っているのなら、恐れる必要なんてない。
ゲームは完成した。
俺たちの物語は、そこから始まった。