あらすじ
台風の夜、最終列車が途中駅で運転を打ち切った。
小さな駅に取り残されたのは、六人の乗客と一人の駅員。
就活帰りの大学生。
離婚届を持った女性。
酔っぱらった会社員。
家に帰りたくない高校生。
仕事を辞めた青年。
夫の手術を控えた女性。
そして、駅員の宮田春樹。
次の列車が動くまで、まだ何時間もある。
最初はただ同じ駅で足止めされただけの他人同士だった。
けれど、長すぎる夜を持て余すうちに、誰にも言うつもりのなかったことまで少しずつ話し始める。
「分からない」
辞めるのか。
続けるのか。
帰るのか。
会いに行くのか。
答えを出せないのは、乗客だけではなかった。
宮田の鞄の中にも、一枚の辞職願が入っている。
予定していた始発は、来ない。
それでも朝は、少しずつ近づいてくる。
人生の途中で立ち止まった七人が、偶然同じ駅で過ごすことになった一夜の物語。