あらすじ

「俺たちは家族だ。そうだろ、アデル」 夫が滑らせたのは、亡き母から私が相続した屋敷の譲渡証書だった。 半年前は、合鍵だった。 冬には、母の寝室を。 そして今度は、屋敷ごと義妹夫婦へ。 ――ええ。家族ですものね。 お望みどおり、すべてお譲りします。 十二年分の修繕年賦も。 庭も暖房も使用人の給金も。 お義母様の終身居住と、その暮らしも。 公証人は条件を一つずつ読み上げた。 支払額の記された別紙も、義妹の夫は手に取り、読まずに戻した。 「必要ない。年賦があることは理解した」 「書面がどうであれ、いざとなれば家族ですもの」 そう笑って、全員が署名した。 支払期日は、明後日。 三日後、義家族は私の家の扉を叩いた。 「二百四十枚だけでいいの。家族でしょう?」 「お断りします」

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小説を読もう2026/08/12
  • 現在の作品あと三回で払い終わる母の屋敷を義妹へ譲りました。支払期日の翌日「家族でしょう?」と請求書を持って来られたので、夫とも離縁します