あらすじ
設立五十周年を迎える特別養護老人ホーム「やすらぎ園」。どこからも受け入れを断られた「厄介な」高齢者を一手に引き受けることで地域から美談として語られてきたこの施設は、実態としては身寄りのない・声を上げられない入所者を選別して囲い込み、資産と公金を静かに食い物にしてきた収奪システムだった。
主人公・永野雅士は、交通事故による一時的な認知障害を理由に「要介護3・認知症」のカルテを作られ、回復後もそのまま塗り固められて入所を続けさせられる。彼が施設の内側から違和感を拾い集め、外部の協力者と繋がりながら、五十年間積み重ねられた不正の構造を暴いていく。