あらすじ

「燭台とゴブレットが、一組足りない」 晩餐会の片付けの最中、銀食器の紛失が発覚した。最後にその卓を担当していたという理由だけで、新人給仕トビアスに疑いがかけられる。 「わ、私は、何も……」 震える新人を前に、家令が処分を言い渡そうとした、その時。 「……恐れながら、申し上げてもよろしいでしょうか」 声を上げたのは、誰も名前を覚えていない給仕係・ミラだった。三年間、壁際で酒器を運び続けてきた「空気のような存在」。だが誰も気にかけない立場だからこそ、彼女は見ていた。 不審な動きをしていた本当の犯人の姿を。一年前、同じように揉み消された騒動を。 物証はない。あるのは、三年分の記憶だけ。 「誰も気にかけない給仕係でしたので。かえって、よく見えることがございました」

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小説を読もう2026/08/12
  • 現在の作品宮廷の給仕係、実は全部知っております