あらすじ
故郷を滅ぼした真祖を討ち、その血と力を取り込んだことで、新たな真祖となったグレイ。
国を救ったはずの彼女を待っていたのは、生き残った人々から向けられる恐怖と「化け物」という言葉だった。
父を失い、国を失い、人間としての身体さえ失ったグレイは、自分が何者になったのかも分からないまま故郷を離れる。
目的は、自分自身を知ること。
吸血鬼とは何なのか。
真祖とは何なのか。
この身体でどう生きていけばいいのか。
そして、自分が生まれ育った王国の外には、どのような世界が広がっているのか。
母や家臣をはじめとする家族の人形たちと共に、グレイは答えを求めて世界へ踏み出す。
その旅は、やがて五百年にも及ぶ長いものとなる。
さまざまな土地を歩き、異なる文化に触れ、吸血鬼たちと出会い、空間魔法を磨きながら、グレイは少しずつ自分なりの生き方を見つけていく。
長い時間の中では、多くの人々との出会いと別れも経験する。
人間は歳を取り、やがていなくなる。
国さえも、長い時間の中では姿を変えていく。
それでも、共に過ごした時間や受け取った想いまで消えてしまうわけではない。
五百年という時間を歩いた末、グレイはかつて離れた故郷へと帰る。
そこにかつての王国はない。
それでもグレイは、家族である人形たちと共に、その場所でもう一度生きていくことを選ぶ。
これは、すべてを失った十歳の少女が世界を歩き、
「白銀の真祖」グレイ・アルタルフ・ゼロ
となるまでの、五百年の旅の物語。