あらすじ
就職活動中、買ったばかりの懐中時計に気を取られ、不慮の事故で命を落とした大学生「久世結人(くぜ・ゆうと)」。
次に目を覚ました先で待っていたのは、時空を司る女神「フィリア・ミラ・クロノス」だった。
フィリアから異世界で二度目の人生を与えられた結人。
彼の旅のお供には止まった懐中時計がひとつだけ。
――そして、その中には、偉そうで食い意地の張った女神本人が住み着いている。
文字は読めない。魔法は初心者。剣だって素人。
それでも結人は、魔法を観察し、試し、失敗しながら、この世界で生きる方法を覚えていく。
最初の街で出会ったのは、値札を付けられた少女。
「役に立たなければ居場所はない」と思っている少女と、誰かの用意した正解に合わせて生きてきた青年。
二人は食卓を囲み、旅に出て、少しずつ「自分で選ぶ」ことを覚えていく。
やがて仲間は増え、旅は世界の秘密へとつながっていく。
そして、止まったはずの懐中時計が再び時を刻み始めたとき――
その時計が本当に刻み始めたものは、まだ誰も知らない。
これは、止まった時計と共に始める――誰かに与えられた人生を、自分で選び直すための旅。