あらすじ

神格鑑定局は、神格を鑑定する機関である。 本部鑑定審査課から、地方の夕浜支所へ異動となった瀬尾理久。 そこは局内で「地の果て」「保留箱」と呼ばれる、長期鑑定保留案件ばかりを抱えた支所だった。 横倒しのまま撤去できない旧夕浜線の車両。 消してもなお光る旧岬端灯台跡地の異常光源。 そして、廃止されたはずの旧夕浜町役場に残る、受理未了の窓口。 着任初日、瀬尾は一通の相談を受ける。 亡くなった母の遺品から、三日前の日付で押された「夕浜町役場」の受付印付き書類が見つかったという。 そこに書かれていたのは、ただ一文。 夫が、帰ってきません。 受け取ったが、受理ではない。 記録したが、番号は振らない。 名づければ、対象が変わってしまうかもしれない。 鑑定官である瀬尾は、やがてひとつの判断に辿り着く。 呼ばない。 そして、保留を継続する。

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カクヨム2026/08/12
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