あらすじ
いつのまにか、人類は新しい進化の扉を開いてしまった。
限界などという言葉を軽々と置き去りにし、炎を纏い、風を従え、目に見えない理(ことわり)さえも手元で遊ぶ者たち——
人知を超えた彼らは、畏怖と憧れを込めてこう呼ばれた。
「超越者(エクシーダーズ)」と。
秩序を守る者、世界の頂点を欲する者、そして旧時代の人間を一掃しようと企む者たち。
巨大な組織がうごめき、世界が異能を巡る終わりのない渦に飲み込まれていく中——
その中心にいるのは、どこにでもいるただの高校生、糸坂耀太(いとさか ようた)だった。
派手な力もなく、戦いに興味もなく、ただ静かに日常をやり過ごしたいと願うだけの少年。
だが、ある日起きた小さな亀裂が、彼の平穏を容赦なく引き裂いた。
彼の能力は、炎を放つわけでもなければ、風をまとうわけでもない。
既存の能力を打ち消すわけでも、コピーするわけでもない。
もっと不気味で、もっと理不尽なもの——
それは、この世界の絶対的なルールである『エクシード・コード』の定義そのものを書き換えてしまうこと。
暗躍し始める組織、狂気に満ちた天才たち、世界の裏側でうごめく実験の痕跡。
これはただの強さを競う戦いではない。歪んだ現実と世界の正当性をかけた、衝突の物語。
戦場に引きずり出されたとき、授業中に居眠りばかりしていた少年は、たった一つの問いと向き合うことになる。
人間にとっての「限界」を越えるとは、いったいどういうことなのか。