あらすじ
勇者に憧れ、ただひたすら強くなることだけに執着していた少年、カシアーノ。
幼いころに吟遊詩人の唄に出てきた、勇者の冒険譚。 憧れている勇者の様に強くなろうと心に誓い、近場のダンジョンへ毎日のように通い続けた。
そうして実力をつけたカシアーノは、憧れている勇者になるためにフィネンツァ帝国の騎士団選抜試験を受ける。
しかし、結果は奮わず。
落ち込んだカシアーノは、憧れている勇者になるために、自分に必要なものは何なのかを、ひたすら考えた。
「もっと、強くならねぇと……」
考えた結果、出た答えは一つだけ。
親もいない、住む場所もない、スラムで育ち、毎日生きていくのに必死だったカシアーノには、学びもなければ教養もない。
あるのはせいぜい、生き残るために獲得した圧倒的な戦闘能力と、勇者に憧れる純粋な心だけ。
思い立ったらすぐ行動、カシアーノは新たな挑戦へと踏み出す。
「本気で勇者になるってんなら、あんなダンジョン一人で踏破して見せねえとな!」
カシアーノは知らない、どんなにレベルの低いダンジョンでも、一人で踏破できたバケモノなどいないという事を
カシアーノは知らない、いつも挑んでいた近場のダンジョンは、世界最難関ダンジョンだったという事を
カシアーノは、知らない……
踏破しようとしているそのダンジョンには、かつて世界を滅ぼしかけた最悪の魔王が封印されているという事を