あらすじ
絵を描くのが大好きな小学四年生・星名ミレイ。
亡き父の「普通はつまらない」という言葉の正解を求め、オシロイバナを潰して絵の具にするなど独自の表現を模索していた。
しかしクラスでは「キモい」と孤立し、唯一の理解者は転校生の黒島モネだけだった。
ある日、ミレイは廃墟でヴァンパイアのアンヘルと出会う。彼はミレイの絵に宿る独創性を見抜き、絵を対価に魔法を授ける。
「人気者になりたい」と願ったミレイは、特別な才能と容姿を得て周囲の注目を集める。
だが魔法の力は永遠ではなく、さらに想い人がモネに惹かれていると知り、
激しい嫉妬から「誰からも否定されない完璧な存在」を願ってしまう。
その結果、ミレイはモネの飼い猫・みゃんと体が入れ替わる。
すべてを失い猫の姿になったミレイは、自分の体を借りて皆に愛されるみゃんを観察するうち、
みゃんが仲間の猫を守るために行動していたことに気づく。
誰かに愛されることばかりを求めていた自分に気づき、「本当の強さ」に気づき始めたミレイだったが、
その直後、モネがもうすぐイギリスへ引っ越してしまう秘密も知ってしまう。
人間に戻るためアンヘルにすがるが、今度はヴァンパイアの姿にされてしまう。
絶望するミレイだったが、駆けつけたモネと共に立ち上がる。
二人は廃墟の砕けたガラスや雑草などの身近なガラクタを集め、
名画『オフィーリア』をモチーフにした立体コラージュを作り上げる。
それは、傷つき見捨てられたものに新しい命を吹き込む、
二人だけのパッチワークだった。
夜の遊園地で作品をアンヘルに捧げ、
ついに元の姿と「そのままの自分でいいという本当の価値」を取り戻したミレイ。
時が流れ、大人になった彼女はイギリスでモネと再会し、
本物の『オフィーリア』を見上げる。
この、かつての冒険を娘に語り聞かせながら、ミレイは確信している。
いびつで普通ではないものにも、命を輝かせる力が宿っていると。