あらすじ

地下アイドル・白瀬みかを三年間推し続ける会社員の藤井には、どうしても許せない“同担”がいる。古参ファン「くろ」。ライブの最前列、限定チェキ、フラワースタンド――あらゆる場面で先を越し、しかもライブ感想は悔しいほど的確。藤井は敵視しながらも、彼の投稿を読み続けてしまう。 ある日、みかの生誕祭で「落札者がセットリストを決められる」特別企画が発表される。貯金四十二万円を投じる覚悟を決めた藤井だったが、競り合いの末、落札したのは“くろ”だった。  そんな中、藤井は勤務先で衝撃の事実を知る。鬼上司として恐れられる城戸部長こそ、現場で憎み続けてきた“くろ”だったのだ。互いの正体を知ってからも、会社では上司と部下、ライブ会場では無言のライバルとして、二人の関係は変わらない。ただ、木曜の対バンの日だけは、部長が残業を振らなくなった。  迎えた生誕祭当日。公開されたセットリストを見た藤井は凍りつく。前半七曲が、自分が三年前に初めて白瀬みかを見た日の並びと完全に一致していたのだ。自分だけの記憶を踏み込まれた気がして、藤井は苛立つ。しかし終演後、部長は「あれは本人が昔ラジオで話していた好きな曲順だ」とだけ告げる。  同じ曲で声を入れ、同じタイミングで跳び、同じ場所でライブを見続ける。嫌いなはずなのに、次の現場で五メートル左にあの男がいなかったら、それはそれで落ち着かない。それでも藤井は思っている。  こっちは同担拒否なんだぞ、と。

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エブリスタ
エブリスタ2026/08/11
  • 現在の作品推し被り絶対殺すマン