あらすじ
「この基礎術式は未完成で、美しくない――」
前世の記憶を持つサンフルーヴ子爵の庶子エステルは、魔術を「学問」として愛する孤独な少女だった。
前世の科学の理を魔法陣に組み込み、圧倒的な魔力効率を誇る「新基礎術式」を編み出した彼女だったが、その才能を私欲にまみれた実父に利用されてしまう。
精霊信仰が根強いフェテール王国において、彼女の科学的アプローチは「精霊を否定する異端」と断じられ、エステルは不吉の象徴たるオッドアイから「災厄の魔女」と呼ばれ、異端審問にかけられることが決まる。
しかし、素直に従う彼女ではなかった。大切な研究資料を空間魔術に詰め込み、転移魔法を駆使して敵国・グランツラント王国へと亡命を果たす。
国境の樹海を彷徨った末、気を失った彼女を救ったのは、人の嘘と本質を見抜く「看破の魔眼」を持つ第一王子テオバルトだった。
エステルのもたらした「理」の美しさと有用性を認めたグランツラント王国は、彼女を新たな国家の頭脳――魔術学の賢者「理の魔女エステル・サビドゥリア」として国に迎える。
彼女をからかって楽しむSな王子や愛くるしいと愛でる王女、他の分野を極めた天才賢者たち、熱烈な求婚をしてくる美少女たちに囲まれながら、エステルが科学の理を世界にもたらし、自分の居場所と生きる意味を見つけていく――。
これは最強の力を持ちながらも決して戦場には立たない「学者」たちの物語。
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