あらすじ

音源復元技師の安西灯のもとに、七十八歳の女性が亡夫の遺したマイクロカセット十二本を持ち込む。認知症を告げられた夫が「忘れる前に」と自ら録った声。だが七本目の途中に、不自然な三十七秒の無音があった。それは録られた沈黙ではなく、消された沈黙だった。誰が、何のために消したのか。灯は復元に手を伸ばすが、他人の沈黙を掘り起こす行為は、彼女自身が七年前に押した消去ボタンへと還ってゆく。

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小説を読もう2026/08/12
  • 現在の作品無音の三十七秒