あらすじ
異世界に突然転移した少年・ハル。
目を覚ました場所は、誰もいない深い森だった。
武器もない。魔法も使えない。
しかし、ハルには一つだけ普通ではない力があった。
――異常なほど優れた嗅覚。
森で出会った角狼を助けたことから、ハルは「クロ」という友を得る。
そして森の奥で出会ったのは、ハートのエプロンに「LOVE & SMELL」と刺繍を入れた、強烈な個性を持つ謎の人物・キャサリン。
本名はまだ秘密。
だがキャサリンは、ハルがこの世界に降臨したことを知っていた。
なぜなら、この世界には古くから一つの予言が伝わっていたからだ。
「世界から香りが失われし時、異世界より鼻の勇者が降臨する」
今、この世界では食べ物、花、森、雨、海――あらゆる香りが少しずつ消えている。
すでに約三割の香りが失われていた。
そして恐ろしいことに、香りの消失は人々の記憶や思い出、夢や希望にまで影響を及ぼし始めていた。
ハルは自分の鼻に秘められた力で、失われた香りを探し出し、この世界を救うことを決めた。
そこで待っているのは、世界の香りが消えていく原因への最初の手がかり。
しかし――
香りを奪っているのは、いったい何なのか。
そして、世界から香りがすべて消えたとき、人々の「思い出」や「夢」はどうなってしまうのか。
鼻で世界を救う勇者の、笑いあり、涙あり、謎ありの異世界冒険が始まる。