あらすじ
成人の儀で、誰も知らない謎職業【墓堀処刑人《アンダーテイカー》】を授かったグレイ。
不吉な職業だと恐れられ、名門騎士家から追放。
幼馴染との婚約まで破棄され、最果ての墓場へ送られてしまう。
――もっとも、本人はそれほど気にしていなかった。
「まあ、家を出るいい機会だったと思えばいいか」
そんなグレイが墓場で最初に蘇らせたのは、数百年前に封印された【厄災の魔女】。
「私が怖くないの?」
「それより腹減ってないか?」
世界中から恐れられる魔女を普通の少女として扱った結果、なぜか彼女はグレイから離れなくなってしまう。
さらに、グレイの力で死者の魂を呼び戻し、魔女の魔法で肉体を再生することで――二人は死者を完全に蘇らせられると判明。
「ここに、私たちの国を作りましょう」
墓場で始まった国造り。
住民を増やすために死者を蘇らせているだけなのに、目覚めるのは処刑された聖女、忘れ去られた大魔導師、滅びた国の騎士団長など、とんでもない者ばかり。
気づけば墓場には、国々を滅ぼしかねない最強勢力が出来上がっていた。
その一方で――。
厄災の魔女からグレイを救おうとする姫騎士。
追放された彼について行かなかったことを後悔し続ける元婚約者。
「今度こそ、必ず私があなたを救います!」
「どうして私を殺さないの……?」
「いや、俺は別に困ってないんだけど?」
グレイ本人は、自分が不幸だとはまったく思っていない。
なのにヒロインたちは、
――家族に捨てられても笑っている。
――傷ついても弱音を吐かない。
――自分を見捨てた相手すら恨もうとしない。
そんな彼を見て勝手に曇り、罪悪感と愛情をどんどん重くしていく。
これは、自分が不幸だとまったく思っていない男と、
「今度こそ絶対に彼を幸せにする」
と曇り続ける少女たちによる――
墓場から始まる、すれ違い勘違い建国ファンタジー。