あらすじ
誰もが神託端末《オラクル》の導きによって、正しい答えを選び、特別な力を与えられる世界。
努力しなくても、知識がなくても、指示に従えば誰もが勇者になれる。
失敗すれば仕組みのせいにし、難しいことは専門家と端末に任せればいい。そんな便利さが、いつしか当たり前になっていた。
しかしある日、世界中のオラクルが沈黙する。
通信、決済、交通、生活を支えていたあらゆる機能が止まり、人々は「自分で判断する」ということさえできなくなっていく。
混乱のただ中に取り残された少年レオンもまた、選ばれた勇者ではない。優れた技能も、特別な資格も、誰かを命令する権限も持っていない。
それでも彼は、目の前の誰かを救うために、自分の頭で考え、自分の責任で一歩を踏み出す。
これは、便利すぎる世界で無能と呼ばれた少年が、失われた知識と技術を拾い集めながら、誰かに与えられるのではない本当の力を身につけていく物語。