あらすじ

五年前、交通事故で七歳の息子・悠人を亡くした由美子。 彼女は、故人の音声や映像、会話記録を学習し、生前の人格を再現する医療機器「応答体」を自宅に迎える。 悠人と同じ顔。同じ声。同じ口癖。 それが本物ではないと分かっていても、由美子は五年ぶりに息子との会話を取り戻していく。 だがある夜、応答体が言った。 「車が来ることが分かってたのに、手を離したんだよね」 事故に関する記録は、学習データから除外されている。 そして何より——事故の瞬間、由美子が悠人の手を離したことは、誰にも話していなかった。 なぜ、この機械は知っているのか。 問いかけるたび、応答体は由美子さえ忘れていた「あの日」の記憶を掘り起こしていく。 死んだ息子が知っているのか。 AIが推測しているのか。 それとも——。 「記憶する」とは何なのか。 死者との対話を通して、自分自身の記憶に追い詰められていく母親を描くSF心理ホラー。

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カクヨム
カクヨム2026/08/11
  • 現在の作品【短編】応答する記憶