あらすじ

「君との婚約は解消する」 「レグルスは?」 「明朝、処分する」 婚約を切られたその日、私が育ててきた馬も捨てられた。 レグルス。 実家のローデン牧場で生まれ、生まれた日から見てきた牝馬。 出足が遅い。馬群を怖がる。鞭を嫌う。 元婚約者ゲオルクは、自分の勝ち方に合わないその馬を切り、二度の御前競馬を勝った名馬アルタイルと、その馬を生んだ牧場の娘を選んだ。 買い戻す金はない。 その夜、私は年内に妻を迎えなければ家督を失う公爵を訪ねた。 「一年だけ、妻になります」 「君の条件は?」 「レグルスを買ってください」 こうして始まった、一年間の白い結婚。 飼い葉も蹄鉄も御前競馬の登録料も、馬医として自分で稼ぐ。 そして気づく。 この馬は弱いのではない。 ほかの馬と同じ走り方を、強いられていただけだ。 なら、私が乗る。 最後方から、大外へ。 「ずいぶん勝ちから遠い場所を選ぶんだな」 そう笑った男の馬を、私たちは追いかける。 勝てないものを切ってきた男が、次は自分が切られる側になることを、まだ本人だけが知らない。 白い結婚から始まる、捨てられた牝馬と令嬢の逆転恋愛譚。 カクヨムにも掲載しています

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小説を読もう2026/08/11
  • 現在の作品婚約破棄されたので、一年間の白い結婚を選びました――私を切り捨てた元婚約者が、今度はすべてに見限られるまで