あらすじ
警備員として働く透は、夜間巡回のため人気のないホテルを歩いていた。
静まり返った廊下に響く、自分の革靴の音。
ガラスに映った自分の姿。
そして、背後から聞こえてくる「シュ……シュ……」という音。
振り返っても、そこには誰もいない。
上司の勝に報告しても、「音が反響しただけだ」と笑われる。
自分が怖がりすぎているだけ。
透もそう思うことにした。
しかし翌日の巡回。
客室の前を通りかかった透は、聞いてしまう。
ギシ……ギシ……。
誰かが寝返りを打つような、ベッドの軋む音を――。
夜のホテルで聞こえる奇妙な「音」。
果たしてそれは、透の思い過ごしなのだろうか。