あらすじ

北境の町ルクサで遺品整理人として働くアルナ・セイル。 十五年前、兄ユリオは「夜の森」へ入り、そのまま帰らなかった。 兄はもう死んだ――そう思って生きてきたアルナのもとへ、ある日、一本の古い笛が届けられる。 持ち帰ったのは、七十一年九か月前に夜の森へ入り、行方不明になっていた男だった。ほとんど年を取らず帰還した彼にとって、森で過ごした時間はわずか十一日。 そして彼は、森の中でユリオに会ったという。 兄から託された手紙には、三行だけが残されていた。 『アルナへ。 森には来るな。 お前はもう一度、私を置き去りにする。』 さらにユリオのそばには、幼い頃のアルナによく似た、名前のない少女がいた。 「もう一度」とは何を意味するのか。 兄はなぜ帰らないのか。 そして、自分に似た少女は何者なのか。 失われた記憶を確かめるため、アルナは王立夜渡院の調査隊とともに夜の森へ足を踏み入れる。 か そこには、存在しないはずの町と、帰れなかった人生が眠っていた。 ――失った人を取り戻すことは、本当に救いなのか。 喪失と記憶、そして選ばれなかった人生をめぐる、大人のためのミステリアス・ファンタジー。

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カクヨム
カクヨム2026/08/11
  • 現在の作品夜渡りの森