あらすじ
「花番の女など王妃にふさわしくない」
夜会の広間で、王太子アルデバランに婚約を破棄されたセレスティア。継妹のミラや貴族たちの嘲笑を浴びながら、彼女は静かに微笑んでいた。
──だって、誰も知らないから。この国が、あと三年で滅ぶことを。
前世で植物学と星読みを愛した彼女は、たった一人で「星屑温室」を管理し、王都全体の魔力結界を支えてきた。夜空から降る星屑を吸って育つ聖花こそ、この国の心臓。それを地味な役目と嘲笑い、国は自ら聖なる心臓を投げ捨てた。
「星屑は、嘘をつきませんから」
そう言い残し、セレスティアは辺境へ。有能すぎる老家令ノクスと共に、新たな温室を築き始める。そこで出会ったのは、言葉少なで不器用な竜将軍リゲル。強面なのに、彼女の前ではすぐ耳を赤く染めてしまう泣き虫な男で――。
地味と嘲られた令嬢と、不器用な竜将軍。星読みの知識と溺愛が織りなす、静かなる復讐と再生の物語。滅びゆく国を見捨てた彼女の未来には、確かな星の瞬きが待っていた。
「星屑は、嘘をつかないもの」