あらすじ
「壊れた発明品を直してほしい」
古い城で暮らす発明家・オドリゴ博士のもとには、今日も奇妙な依頼人が訪れる。
博士の傍らには、息子として育てたロボット・アントン。
運び込まれるのは、どんな料理でも一瞬で作れる機械、誰でも殺せる銃、お金が大量に手に入るカード――持ち主の「願い」を叶える不思議な発明品ばかり。
しかし、博士には重大な秘密があった。
それらはすべて、自分が作ったはずなのに、作った記憶だけが失われているのだ。
設計図もないまま、壊れた発明品を分解し、試し、悩みながら修理を進める博士。
その過程で、依頼人たちは「本当に欲しかったもの」が、発明品そのものではなかったことに気づいていく。
そして、七つ目の発明品が姿を現したとき、博士が記憶を失った理由と、アントンの秘密が明らかになる。
これは、壊れた機械を直しながら、壊れた心も少しずつ修復していく、優しくて少し切ない発明ファンタジー。