あらすじ

初雪の夜、城見署に八十歳の女が現れた。矢代キヨ。認知症が始まったばかりの彼女は、六十年前に男を一人殺したと告げる。だが記録を洗っても、その年に事件は存在しない。 「全部、話しなさい。……私が覚えておきます」 定年を七か月後に控えた刑事・柚木は、調べるのではなく聞き書きを始める。やがて工場の跡地から白骨が出た。昭和四十五年、南陽紡績の女工寮。前借金に縛られた娘たち。そして、五十五年間ただの一度も欠けなかった、差出人のない年賀状。 描かれているのは花の絵が一枚と、同じ言葉だけ。ゆびきった、げんまん。百回、万回。 二人の少女が交わした約束と、六十年の沈黙の物語。 ※本作は『八月の蛍』(カクヨム・完結済)の続編です。県警捜査一課の柚木数馬と、新人刑事の三雲拓海。あの夏のその後を描く冬の物語ですが、事件は独立していますので本作からお読みいただいても差し支えありません。 ※柚木数馬は、Kindleで刊行中の『柚木刑事シリーズ』(全三巻)と同じ刑事です。 ※昭和期の人身売買・性暴力を題材に含みます。

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カクヨム2026/08/11
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