あらすじ
伯爵夫人リディアは、なぜか社交界で人から距離を置かれていた。
その理由を知ったのは、久しぶりに友人と再会した時だった。
夫レオナールは、人から頼み事をされると気前よく引き受ける。
そして後になって断る時には、決まってこう言っていた。
「妻が反対しておりますので」
好かれるのは夫。
嫌われるのは妻。
しかもリディア本人は、何一つ知らされていなかった。
困り果てた彼女が相談したのは、フェリシテ・クローヴェル。
「かわいそうな旦那様ですね」
そう言って微笑むフェリシテは、夫がずっと妻に預けていたものを、本人へ返すことを提案した。