あらすじ
タイトル案:『女魔獣師のセカンド・ネスト』
地元のスーパー『ヤマサン』で、理不尽なクレームや忙しいシフトに耐えながら、必死に生きてきた四十二歳のシングルマザー・綾子。
ある夜、不運な事件で命を落とした彼女が目を覚ましたのは、一年に一度しか行えない謎の儀式で「死者の魂」を呼び出す異世界だった。
そこで与えられたのは、戦闘には向かない底辺職――魔獣師【ビーストテイマー】。
しかも契約できたのは、戦場では役に立たないと蔑まれる、小さなメスの魔獣【フレイヤ】だけ。
まともな訓練もないまま放り込まれた、凄惨な初めての戦場。
炎に焼かれる兵士。次々と倒れていく仲間。
そして――頼りない主人(綾子)を守るために、無残に命を落とすフレイヤ。
生き残った綾子に向けられたのは、称賛ではなく、最弱を蔑む罵声だった。
「どうして、あの小さな命が死ななければならなかったのか」
涙を拭った四十路の母は、そこから強かった。
魔獣師とは、己の精神力を分け与え、魔獣を強くする孤独な生業。
『ヤマサン』のレジ裏で、泥をすすり、心をすり減らしながらも「誰かのために」戦い続けてきたおばちゃんの精神力(うつわ)は、異世界の誰もが想像できないほど、深く、強靭に鍛え上げられていた。
「舐めないで。こっちはね、特売日の修羅場を何度も修羅場をくぐり抜けてきたのよ」
これは、人生に失敗したはずのおばちゃんが、世界に捨てられた魔獣たちの「母(セカンド・ネスト)」となり、最強の魔獣師へ駆け上がる物語。
――そして彼女はまだ知らない。自分がこの世界に「召喚された本当の理由」を。