あらすじ
毒属性なのに、やることは手洗い、検毒、発酵管理。
三十九歳の大麹豊は、大手外食チェーンで衛生管理の仕事をしていた。休日に釣りへ出かけたはずが、目を覚ますとそこは魔法のある異世界。与えられたのは、人々から警戒される〈毒属性〉と〈毒魔法〉、何ができるのかも分からない〈発酵術〉だった。
森で出会った火魔法使いの少女ニナは、村の大切なパン種が消えて困っていた。豊は衛生管理の経験を頼りに原因を調べ始めるが、その森には凶悪な魔獣デスベアが迫っていた。火魔法も毒魔法も効かない相手に、豊は……?
武器もなければ、戦いの経験もない。頼れるのは、現場を観察する目と、未知の発酵術だけ。
毒で人を害するより、発酵で誰かの暮らしを良くしたい。
力で敵を薙ぎ払えないなら、知恵と経験と絆を武器に立ちまわれ!
少しお人好しな普通のおじさんが、仲間たちと異世界の食と水と暮らしを支えていき、やがてこう呼ばれる――〈発酵術師〉……って、なんですかそれ?